私はこれを「リトルFIRE」とか「プチFIRE」と呼んでいます
しかも収入が上がるのは、一般的には社会人人生の後半です。これらの問題を考えても、無理に40歳代くらいでFIREする計画は難易度が高いことがご理解いただけるでしょう。50歳代、60歳代、あるいは引退年齢の5年前にリタイアする選択肢だってあります。私はこれを「リトルFIRE」とか「プチFIRE」と呼んでいます。
また、普通の社会人は22歳から65歳まで43年間働くわけですが、仮にその中間である40歳代半ばでFIREするためには、社会人人生前半の約20年で、その倍の稼ぎをしなければなりません。
「FIRE」とは「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字で、お金のために頑張って働く生活から脱却し、夢や願望を追求するライフプランや概念を指します。最近では欧米だけでなく、日本の若者の間でも話題となっている考え方です。
FIREの「RE」の部分、「早期リタイア」はあなたの人生にとって本当によいことか、考えてみましょう。不労所得を得ながら、ある程度働いて収入を得ていくサイドFIREであればセミリタイアすることになりますが、そのことで人生は有意義になるのでしょうか。
通常アーリーリタイアというと40〜50代でのリタイアをイメージしがちですが、欧米ではさらに若い世代の間で「FIRE(ファイア)」と呼ばれる早期リタイアムーブメントが起こり、20代や30代から自由な生活を目指そうという動きが広がっています。
資産形成には一定の期間が必要です。それは誰でもわかることなので、40歳代でFIREしたくても30歳代、40歳代で FIREに関心を持った人は、「今からでは遅い」と思い込み、早期リタイアを諦めてしまいがちです。ただし、ここで諦めてしまうのは、単なる「FIREへの思い込み」に過ぎません。
たった5年と思われるかもしれませんが、65歳定年の会社を60歳で辞めても、90歳まで生きる人は、その後30年のリタイア生活を満喫できます。また、プチFIREならリタイア後に数年待てば公的年金をもらい始めることができますから、それほど高額な資産額を用意する必要もありません。
そのためには、もしFIREにチャレンジする場合は、夫婦できちんと話し合いをして、一緒に夢に向かって行くことが大切です。
いずれにしても、FIREを実現したいなら、できるだけ早く行動を起こすに越したことはありません。資産運用において最も重要なのは、運用収益の高い商品を選ぶことではありません。まず第一歩を踏み出すことです。ぜひ今から、その第一歩を踏み出してください。
このように考えると、FIREは50歳代くらいを目標にして、まずはプチ FIRE を実現し、さらに資金を積み上げて50歳代FIREを達成するのが妥当ではないかと思います。
今回登場するのは、九州の半導体設計会社に26年勤めた後、53歳で早期リタイア(FIRE)を実現した浜砂和彦さんに、セミリタイアするまでの葛藤やマネーマシンの作り方などをお聞きしました。