一般的に富裕層は 「純金融資産」が1億円以上ある世帯のことを指す

一般的に富裕層は 「純金融資産」が1億円以上ある世帯のことを指す

資産家の一般的な定義は曖昧なものですが、この記事では「金融資産か実物資産を問わず、保有している資産の価値が1億円以上の人または一家」と定義して進めていきます。

冒頭でもふれたとおり、純金融資産が1億円あれば、資産運用をすることで働かずに生活していくことも不可能ではない。

元野村證券で、これまで3万人以上の投資家の資産運用の相談を担当してきた経済コラムニストの大江英樹氏が、新著『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」』の出版記念イベントに登壇。日本では100人中2~3人いる「億り人」(金融資産1億円以上を持つ人)の実態や、日米の富裕層の共通点などを語っています。

ただしこの野村総合研究所の分類では、金融資産つまり「預貯金や株式、債権、投資信託などの現金化できる資産」を指標としています。土地や建物、貴金属、美術品などの実物資産を多く持つタイプの資産家がこの定義だと含まれません。

預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計しました。結果は、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると132.7万世帯で、内訳は、富裕層が124.0万世帯、超富裕層が8.7万世帯でした(図1)。
富裕層と超富裕層をあわせた2019年の世帯数は、2005年以降最も多かった2017年の合計世帯数126.7万世帯から6.0万世帯増加しました。富裕層・超富裕層の世帯数はいずれも、安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始まった後の2013年以降一貫して増加を続けています(表1)。

そこで、この記事での資産家の定義として、金融資産か実物資産を問わず、保有している資産の価値が1億円以上の人または一家とすることにします。ただし前述した通り、明確に定義されているものではないため、この解釈が絶対ではないということは覚えておいてください。

一般的に富裕層は、「純金融資産」が1億円以上ある世帯のことを指す。しかし、なぜ1億円が境目になっているのだろうか。その理由の一つが、「純金融資産が1億円以上あれば、資産運用によって働かずに生活できる可能性」が出てくるためだろう。

2017年から2019年にかけて、富裕層および超富裕層の純金融資産保有額は、それぞれ9.3%(215兆円から236兆円)、15.6%(84兆円から97兆円)増加し、両者の合計額は11.1%(299兆円から333兆円)増えました(図1および表1)。
また、富裕層・超富裕層の純金融資産保有総額は、世帯数と同様、2013年以降一貫して増加を続けています(表1)。
過去10年近くにわたって富裕層・超富裕層の世帯数及び純金融資産保有額が増加している要因は、株式などの資産価格の上昇により、富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと考えられます。
2020年はコロナ禍の中においても株価は上昇しているものの、多くの経済指標は悪化しており、今後の富裕層・超富裕層の世帯数や純金融資産保有額に影響を与える可能性があります。

そうじゃなくて、いわゆる1億円以上の金融資産を持っている人は、どういう考え方でどんなことをやっているのかを、克明に調べていったものなんです。

この『おくりびと』は、たいへんヒットしたんですけれども、その「おくり」という言葉に1億円の「億」を掛けた。そして純金融資産、つまり自分が持っているお金の中から、住宅ローンなどの借金を引いた、純然たる金融資産が1億円以上ある人ということに、1億円の「億」を掛け合わせて、「億り人」というタイトルにしてあるわけです。

大江:1億円以上の金融資産を持っている富裕層が、こんなに多いということなんですが、一般的に我々が「億り人」という言葉からイメージするのは、ビットコインで一夜にして大儲けしたとか、デイトレードで成功して、50万円を1年間で1億円にしたとか、どうもそんなことばっかりをイメージしがちになりますね。

この記事では資産家の定義を「金融資産か実物資産を問わず、保有している資産の価値が1億円以上の人または一家」として進めていきます。この記事では、なぜ資産家の定義をそう決めたのか、資産家と「お金持ち」「富裕層」「高所得者」の違い、そして日本にはどのような資産家がいるのかなどについて説明していきます。

野村総合研究所が毎年行っている富裕層についての推計調査では、純金融資産が「1億~5億円」の世帯を富裕層と定義づけている。富裕層に関する国際調査を手がけるWealth-Xは「100万ドル以上」を富裕層とし、世界における富裕層人口などを調査・公表している。

金融資産(現金など)か実物資産(不動産など)を問わず、自己資産を多く保有する人または一族。この記事の定義では、1億円以上の資産を保有する者。

「資産家」の定義ではありませんが、野村総合研究所の分類で、5億円以上の純金融資産を保有している人を「超富裕層」、1億円~5億円未満が「富裕層」と定義されています。そこで一旦、富裕層以上を資産家と定義してみます。

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