筆者も現在 まさに金融資産8000万円です
大江:1億円以上の金融資産を持っている富裕層が、こんなに多いということなんですが、一般的に我々が「億り人」という言葉からイメージするのは、ビットコインで一夜にして大儲けしたとか、デイトレードで成功して、50万円を1年間で1億円にしたとか、どうもそんなことばっかりをイメージしがちになりますね。
筆者も現在、まさに金融資産8000万円です。手前味噌ではありますが、ここまで蓄えた方であれば相当苦労されたことと思います。
むしろ、それよりも『となりの億万長者』のほうが、はるかに実践的に役に立つかなと思っているんですね。実践的にというか、心構えとしてね。この本も実はアメリカで純金融資産が100万ドル、つまり1億円以上ある人たちに取材をしたりアンケートを取ったりしたものです。
もともといろんな制度も違いますし、本当に金融資産を作るためにいろいろ投資をしたり、そんなことをやってきた人にとっては、「ふむふむ、なるほどな」とわかっていただける内容もあるんですけれども、まったくのド素人の人が読むと、誤解するんじゃないかなという面もあって、私はあまり、積極的に読むことをお薦めしていません。
この『おくりびと』は、たいへんヒットしたんですけれども、その「おくり」という言葉に1億円の「億」を掛けた。そして純金融資産、つまり自分が持っているお金の中から、住宅ローンなどの借金を引いた、純然たる金融資産が1億円以上ある人ということに、1億円の「億」を掛け合わせて、「億り人」というタイトルにしてあるわけです。
金融資産が「7000万円〜8000万円」あれば、あと少しで富裕層の基準である1億円に到達するという水準です。
これによると、2020年の時点での日本の富裕層。つまり1億円以上の純金融資産を持っている人の世帯数が、133万世帯となっていますね。ということは、2020年の日本の一般世帯数は5,572万世帯なので、率にすると2.4パーセントです。ということは、100人のうち、2~3人は「億り人」ということになりますね。学校でいえば、クラスに1人は「億り人」がいるということです。
50代では金融資産保有額が3,000万円以上と回答したのは13.8%で、最も割合が高くなっています。次に回答が多かったのは1,000万円〜1,500万円の11.7%、そして2,000万年〜3,000万円の10.8%となっており、多くの方が1,000万円以上の金融資産を保有しています。また、30代、40代と比べると50代は資産保有額が大きい傾向です。
元野村證券で、これまで3万人以上の投資家の資産運用の相談を担当してきた経済コラムニストの大江英樹氏が、新著『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」』の出版記念イベントに登壇。日本では100人中2~3人いる「億り人」(金融資産1億円以上を持つ人)の実態や、日米の富裕層の共通点などを語っています。
例えば、現在の金融資産が3,000万円で5,000万円を目指すとして、毎月10万円(年間120万円)を貯金に回したとすると、達成するまでの期間は次のようになる。
そうじゃなくて、いわゆる1億円以上の金融資産を持っている人は、どういう考え方でどんなことをやっているのかを、克明に調べていったものなんです。