参考:
内閣府「早期退職に係る募集実施要項」
従業員から「会社の経営が危ないのか?」「首切りにかかっているのか?」といった不信感を持たれないよう、早期退職制度を導入する意図を丁寧に説明しましょう。
早期退職者が再就職する場合、年収はどうなるのでしょうか。厚生労働省が自己都合退職者を含むすべての退職者の賃金変動率の調査*したところ、年齢が上がるにつれて再就職後の賃金は減少する傾向にあり、50代を境に減少する人が増加する人を上回るようになります。年収アップを望んで退職の希望を出したものの、結果的に大幅な収入減になってしまった……とならないように注意が必要です。
実際に早期退職をすることが決定した社員については、具体的な退職日や退職までの対応に関して内容のすり合わせを行います。優遇措置の適用についても話し合い、労使がともに合意の上で退職が実施されるよう、コミュニケーションを密に取る必要があります。
早期退職後も働き続ける場合は、次のキャリアに挑戦できるチャンスも広がっています。
近年、黒字企業であっても早期退職制度を導入する企業が増えています。しかし、世間的にはまだまだ業績悪化や事業縮小による人件費削減といった、マイナスイメージで捉えられてしまうケースは少なくありません。
早期退職の場合、定年後のキャリアや生活を応援する意味もあり、退職金を多めに設定している企業も多いです。定年退職や自己都合退職、会社都合による退職など様々な退職の種類がありますが、中でも最も多い退職金を受け取れるのが早期退職制度であることがわかるでしょう。
早期退職制度にはメリット・注意点の双方があることを正しく理解した上で、会社の成長のためにも前向きな目的で導入を検討することが有効です。まずは、会社の現状から問題点を洗い出し、解決をしていくためにはどのような方法が適切かを検討してみてはいかがでしょうか。
早期退職に成功する人が満たしている条件は、つぎの通り。あてはまらない項目がある場合は、早期退職への応募は踏みとどまったほうがいいかもしれません。
リストラは、正式名を「リストラクチャリング」といい、早期退職制度というよりは希望退職制度に意味合いが近い制度です。具体的には、経営不振や事業再構築、業務の効率化などを理由に人員整理の一環として社員を解雇することです。
早期退職制度の対象となる年齢は、企業により異なりますが、定年退職まで5~15年以内の社員を対象にするケースが多いようです。ちなみに国家公務員の早期退職制度では、定年前15年以内、勤続期間20年以上の職員を対象としています。
早期退職制度は、割り増しの退職金や再就職支援などの優遇措置を設けて、社員に早期退職促す制度です。そのため、本来支払うべき退職金よりも支出が増えてしまい、短期的には大きな損失になってしまう可能性があります。
一般的に早期退職制度を導入するのは、赤字の企業が人件費削減や事業縮小を目的に行うものといったイメージがあるかもしれません。しかし、近年は黒字企業であっても早期退職制度を導入するケースが増えています。
早期退職制度の導入により退職者が発生した場合、退職者が行っていた仕事は別の社員が担当します。また、辞めた社員の代わりに新しい社員が入社してくるケースもあります。
転職活動をする際には退職理由を必ずと言っていいほど聞かれますが、どのような経緯でどんな考えを持って早期退職制度を利用したのかを説明することで、面接官にも主体的で前向きな選択だったと理解してもらうことができます。自分の意志で決断を下したことが伝われば、「しっかりと考えて転職活動に臨んでいるという人」というポジティブな評価につながるはずです。
早期退職制度を導入する前に、規定の策定などには十分な時間をかける必要があります。また、制度のメリットとデメリット、注意点について十分に把握し、専門家を交えて導入・活用してください。
早期退職はメリットも多いですが、注意点もあります。
早期退職をする側の社員にとって、早期退職をためらってしまう理由の一つが再就職への不安です。早期退職制どの対象となる40代後半以降は、スキルがあったとしても再就職は簡単ではありません。そこで、優遇措置として再就職支援を実施することで、早期退職を後押しします。
※参考:
内閣府「早期退職に係る募集実施要項」
早期退職制度の導入で欠かせないのが早期退職を希望する社員に対する優遇措置です。前述した退職金の割り増しや再就職支援のほかにも、特別休暇や有給休暇の買い上げなどが挙げられます。それぞれの概要は次のとおりです。
上乗せされた金額が妥当かどうかを判断するには「早期退職せず定年まで勤めた場合、これからの給料と退職金を合わせていくらもらえるのか」「退職金と早期退職後の自由な時間が、収入のマイナス分に見合うのか」をじっくり考える必要があるでしょう。