つまり 必ずしも高所得者=資産家とはならないことになります

ずばり資産家の人たちが共通してやっていることを真似しましょう

従来、お金持ちというか富裕層の人たちが関心があったのが、資産運用とか節税とか相続というものばっかりだったんですが、最近の人は比較的年齢が若くなってきたこともあって、新興企業への出資。エンジェル投資みたいなものや、現代アートや教育といったものに興味を持ってきている。ぜんぜん違いますよね。

資産家と似た言葉に、「お金持ち」「高所得者」「富裕層」というものがあります。これらの違いを正確に理解しているでしょうか?ここでは、それぞれの言葉が表す人がどのような人か解説します。

もともといろんな制度も違いますし、本当に金融資産を作るためにいろいろ投資をしたり、そんなことをやってきた人にとっては、「ふむふむ、なるほどな」とわかっていただける内容もあるんですけれども、まったくのド素人の人が読むと、誤解するんじゃないかなという面もあって、私はあまり、積極的に読むことをお薦めしていません。

金融資産(現金など)か実物資産(不動産など)を問わず、自己資産を多く保有する人または一族。この記事の定義では、1億円以上の資産を保有する者。

つまり、必ずしも高所得者=資産家とはならないことになります。

大江:1億円以上の金融資産を持っている富裕層が、こんなに多いということなんですが、一般的に我々が「億り人」という言葉からイメージするのは、ビットコインで一夜にして大儲けしたとか、デイトレードで成功して、50万円を1年間で1億円にしたとか、どうもそんなことばっかりをイメージしがちになりますね。

だとすればいったいどうすればいいのか。ずばり資産家の人たちが共通してやっていることを真似しましょう。それは「収支を管理する」ということです。

だから、ファイナンシャルプランナーのみなさんとかも、いつまでも「資産運用だ」「節税だ」、そんなことばっかり言っているんじゃなくて、美術とかリベラルアーツみたいなものをもっと勉強したり、造詣を深くしたほうがいいんじゃないかなと、1週間くらい前に得たその記事を見て思いました。

むしろ、それよりも『となりの億万長者』のほうが、はるかに実践的に役に立つかなと思っているんですね。実践的にというか、心構えとしてね。この本も実はアメリカで純金融資産が100万ドル、つまり1億円以上ある人たちに取材をしたりアンケートを取ったりしたものです。

これによると、2020年の時点での日本の富裕層。つまり1億円以上の純金融資産を持っている人の世帯数が、133万世帯となっていますね。ということは、2020年の日本の一般世帯数は5,572万世帯なので、率にすると2.4パーセントです。ということは、100人のうち、2~3人は「億り人」ということになりますね。学校でいえば、クラスに1人は「億り人」がいるということです。

富裕層向けのマーケティングでは、資産額1億円以上を富裕層と定義しており、年収はあまり考慮に入れていません。その理由は、働かずに遊んで暮らせる金額が1億円以上だからです。よく雑誌などで、「目指せ資産1億円」などとタイトルが付けられていますが、これにはちゃんとした意味があったのです。

本当にお金に縁のある生活を送ろうと思うのであれば、年収を過度に気にしていても意味がありません。最終的にどのくらいの資産を持つことができるのかで、人生の豊かさは決まってしまいます。こうした感覚を持って人生設計を作ることができるのかどうかが、教養人か凡人かの分かれ目となるのです。

単純にお金をたくさん持っている人。資産家・富裕層・高所得者を包含する広い意味の言葉。

多くの人は、お金を年収、つまりフローとして理解してしまうので、お金持ちと聞くと、やはりフローである年収を先に思い浮かべてしまうのです。しかし、お金持ちにとってもっとも大切なのは、年収(フロー)ではなく資産額(ストック)。資産額を大きくすることを心がけた人だけが、お金に縁のある生活を送ることができます。

特にサラリーマンの場合、収入は急に増えることはそれほどありませんので、どうしても支出を管理することがメインの施策となります。私が取材したサラリーマン資産家の人たちも例外なく収支管理はやっていましたし、メディアに登場する資産形成に成功した人も投資で一発当てたということではなく、地道に支出管理をしながら、貯めたお金を少しずつ投資につぎ込んでいった結果だと言えるでしょう。

単純にキャッシュフロー(収入)が多ければ全て高所得者に該当しますが、収入が多くてもほとんどを消費してしまい資産を保有していないという人も含まれます。

加谷 珪一(かや けいいち)
経済評論家
仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP記者、投資ファンド運用会社などを経て独立。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。億単位の資産を運用する個人投資家でもあり、お金持ちについて解説した書籍「お金持ちの教科書」はベストセラーとなった。「お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか」(朝日新聞出版)、「あなたの人生を変えるお金の教養」(PHP研究所)などお金に関する書籍を多数執筆している。

この『おくりびと』は、たいへんヒットしたんですけれども、その「おくり」という言葉に1億円の「億」を掛けた。そして純金融資産、つまり自分が持っているお金の中から、住宅ローンなどの借金を引いた、純然たる金融資産が1億円以上ある人ということに、1億円の「億」を掛け合わせて、「億り人」というタイトルにしてあるわけです。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *