今回は 60歳までに1億円を貯めるプランをご紹介しました
企業型の確定拠出年金についてはiDeCoと同様、個人がアクセスして残高チェックをできますので、このペースで60歳に届いたらどうなるかを試算によりイメージすることもできます。
この方法だと、60歳時点で貯金分が3061万円、投資分が6928万円、合計で9988万円貯まります。貯金分の元手は3061万円ですが、投資分の元手は3%複利のおかげで3649万円。ですから、合わせて6710万円でほぼ1億円が達成できるのです。グラフからも、投資分が複利の効果で加速度的に増えていることがわかりますね。
そこで今回は、60歳までに1億円を貯めることができるのかを考えてみたいと思います。ぶっちゃけた話、「60歳までに1億円貯める」なんて可能なのでしょうか?
貯金だけで60歳時点に1億円貯めようとすると、22歳の新卒時の月収から毎月13万円、ボーナスの中から年30万円も貯金していく必要があります。つまり、新卒1年目から毎年年間186万円も貯金していかなければなりません。さらに、5年に一度、月収1万円・ボーナス10万円ずつ増額していく必要があります。
この方法で貯金すると、60歳時点で月収からの貯金分が7680万円、ボーナスからの貯蓄分が2500万円、合計で1億180万円貯まる計算。もちろん、自分で用意する元手も1億180万円です。実家で生活している人ならまだ実現可能性はあるかもしれませんが、若い頃の負担がかなり大きくなります。それに、年を重ねてからも、給与が右肩で増えるならばいいのですが、そうとは限りません。現実的ではないことがわかるでしょう。
1億円と言う金額を見て、「自分には無理だ」と思う人も多いと思います。実際、新卒を22歳とすると、そこから60歳までコンスタントに貯金し続けるとしても、かなりの金額を貯金しないと1億円に到達しません。
いかがでしたか。今回は、60歳までに1億円を貯めるプランをご紹介しました。
なお、これは同じ企業に60歳で退職するまでフルタイムの正社員として勤め続けた場合の生涯年収を想定しており、退職金や年金を含めていません。この数字を見ると、1億円という金額は年収の約半分を毎年貯めていく必要があることがわかります。
①と②のどちらが支払う税金が少なくて済むかは、一律には決まりません。それぞれの計算式でみたように、いずれも、確定拠出年金の給付額だけでは決まらず、①の場合は、退職一時金、②の場合は公的年金、企業年金などの受け取り額を合算した形で控除額が計算されるからです。例えば、サラリーマンなどである程度の額の退職一時金を60歳で受け取る場合には、一時金として受け取る確定拠出年金の給付金と合算した金額が、退職金控除額を上回ってしまう場合があります。
いずれにせよ、受け取り方にこれが正解というものはありません。大切なのは、税制などの基本的な知識を持ったうえで、自分にとって何が適当なのかを考え選択することです。60歳間際で慌てて考えるのではなく、少し余裕を持って考えてもらいたいポイントです。むしろ、この年金の受け取り方を考えることから、老後資金の管理全般にまで意識が向かっていくかもしれません。
60歳までに1億円貯めたい、と言ってもそもそも1億円という金額がどういう金額なのか、イメージがつかないという人も多いと思います。そこで私たちが得られる生涯年収と比較してみたいと思います。
現役時代にはあまり考える機会がありませんが、60歳になる前に必ず考える必要があるのが、年金の受け取り方です。年金については、受け取り時がもっとも大切であることは、年金の目的からしてお分かりいただけると思います。公的年金の受け取り方の工夫については、すでに説明しました。ここでは、企業型や個人型の確定拠出年金の受け取り方を考えてみます。確定拠出年金を60歳以降に老齢給付金として受け取る方法は、大きく、①一時金として一括して受け取る、②年金として定期的に受け取る、の2通りがあります。さらにプランにもよりますが、③①と②両方を組み合わせて受け取ることもできます。