3回目は 遺産相続で1億円を手に入れた40歳独身男性の相談

3回目は 遺産相続で1億円を手に入れた40歳独身男性の相談

まずは本当に50歳での早期リタイアは現実的に可能なのかどうかです。先ほどの5,000万円〜1億円の貯蓄を目安にして考えると、50歳で1億円に到達するには、25歳から25年間、毎月10.5万円の積み立てが必要です。これはかなり厳しい数字であることは予想がつきますが、さらに年間の利回りを8%で維持し続けなければなりません。そして、50歳までに結婚や子育て・住宅ローンなどの支払いがあることを考えると現実味がなくなってしまい 、50歳でのアーリーリタイアは100年人生時代を考えるとかなり厳しいでしょう。それでも少しでも近づけるためには、資産形成に励むことが必要です。50歳で完全早期リタイアできなくても、60代になる前にはかなり貯金に余裕ができるでしょう。独身の方や生活スタイルによっては、5,000万円程度でもアーリーリタイアやセミリタイアができる人もいるため、一つの目安として考えてみるのも良いかもしれません。

「貯金1億円ってどうなの?」

50歳でアーリーリタイアや早期リタイアを目指す人は多いです。定年退職を迎える前の50歳でのアーリーリタイアや早期リタイアに必要な資産は、5,000万円〜1億円などの声も聞かれます。今回は50歳で引退する方法を詳しく解説します。

先ほど解説した計算で生活をすると、50歳で資産が1億円あればアーリーリタイアやセミリタイアを行ううえで十分なのかは、生活スタイルや独身か既婚者かによっても大きく異なるでしょう。独身であれば、5,000万円でも早期リタイアは可能な場合もあります。ここではさまざまな生活パターンに分けて、資産1億円で50歳から生活する場合のシミュレーションを立てていきます。

50歳で実際にアーリーリタイアやセミリタイアをするとなると、現実的にそれまでどおりの生活をする場合は、独身でも5,000万円、家族がいると1億円の貯蓄や貯金が必要となります。50歳でアーリーリタイアをしたときのメリットとしては、定年を迎える前に自由な時間とストレスから解放された生活が送れることです。50歳といっても定年までに15年もの期間があり、この50歳からの15年は人生においても大切な時間であり、アーリーリタイアや早期リタイア、あるいはセミリタイアすることで、健康で人生を楽しめる最後の貴重な時間を有意義に過ごせます。逆に50歳でアーリーリタイアするデメリットとしては、貯蓄の形成が困難でアーリーリタイアまでの生活が苦しい点です。これは独身であるかどうか、給与・生活スタイル・貯金額によっても違います。しかし、先ほど解説したとおり50歳でアーリーリタイアや早期リタイアをする場合は、5,000万円〜1億円もの貯蓄が必要になります。簡単に貯貯蓄できる金額ではないため、30代から準備しなくてはなりません。

50歳でのアーリーリタイアや早期リタイアあるいはセミリタイアをしようと考えた場合、一般的に独身でも5,000万円、家族も含めると1億円などの貯蓄が必要になります。ただし、生活スタイルや早期退職の割増退職金制度などの活用をうまくすれば、5,000万円〜1億円よりやや少ない資産でも実現可能です。

大江:一番最初に、この本の今日の内容について、一言で申し上げます。本当に身も蓋もないことを言うんですけれども、この本で一番言いたかったことは、「『1億円』という金額を貯めることに意味はない」ということなんですね。

確かにそういう人もいないことはないと思うんですが、あっという間に1億円作った人は、たぶんあっという間に1億円なくしてしまう可能性があると思うので、そういう人はちょっとどうかなと私は思うわけです。

大江:1億円以上の金融資産を持っている富裕層が、こんなに多いということなんですが、一般的に我々が「億り人」という言葉からイメージするのは、ビットコインで一夜にして大儲けしたとか、デイトレードで成功して、50万円を1年間で1億円にしたとか、どうもそんなことばっかりをイメージしがちになりますね。

元野村證券で、これまで3万人以上の投資家の資産運用の相談を担当してきた経済コラムニストの大江英樹氏が、新著『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」』の出版記念イベントに登壇。日本では100人中2~3人いる「億り人」(金融資産1億円以上を持つ人)の実態や、日米の富裕層の共通点などを語っています。

1億円を現金で金庫に入れて使うというのは現実的ではなく、通常半分ぐらいは運用すると考えられる。

目指すは収支盤石な「安泰家計」、しかし現実は日々のやりくりに四苦八苦――。そんな「お困り家計」でも、プロから見れば打つ手はある。本コラムでは、実際にあった家計相談を基に、金融ITに強いMILIZEがシミュレーションを用いて改善に必要な金額を逆算。ファイナンシャルプランナー(FP)の前田晃介氏が具体的な改善策を提案する。3回目は、遺産相続で1億円を手に入れた40歳独身男性の相談。「仕事をやめて好きなゲームだけして生きていきたい」――。果たして望みはかなうのか。

「それで1億円を元手に増やしてみようと、スマートフォン(スマホ)の広告に出ていたFX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨に投資してみたんですよ。最初、100万円ももうかったんで『これならいけるかも?』と投資額を増やしたら、あっという間に1000万円の損失が出ちゃいまして」。なるほど、すでに1000万円の損失ですか……(この時点で少し頭が痛くなりました)。

これによると、2020年の時点での日本の富裕層。つまり1億円以上の純金融資産を持っている人の世帯数が、133万世帯となっていますね。ということは、2020年の日本の一般世帯数は5,572万世帯なので、率にすると2.4パーセントです。ということは、100人のうち、2~3人は「億り人」ということになりますね。学校でいえば、クラスに1人は「億り人」がいるということです。

結果、やはり1億円という金額そのものを目的にしても、あまり意味がないなというのが、実はこの本の結論なんですね。なんでそういう結論になるのかというのは、今日お話ししていく中で、追い追いおわかりいただけるんじゃないかなと思います。

50歳でアーリーリタイアする場合、「1億円必要」とか「5,000万円必要」などといろいろな話がありますが、実際どのくらいの貯蓄や貯金があれば早期退職に踏み込めるのか見ていきましょう。50歳でアーリーリタイアをする場合、ファイナンシャルプランナーの山崎俊介氏の一説では独身ではなく、家族がいる方は1億円資金を準備しなければなりません。例として、50歳および60歳と高所得の60歳で退職して、年金支給の始まる65歳まで5年間貯金を切り崩して生活を送るケースを考えてみましょう。夫婦で年間400万円、5年で2,000万円を消費するため、大企業の退職金約2,300万円はこの時点でなくなってしまいます。実際に年金受給者の実収入は公的年金約21万円ですが、支出の平均が26万円なのでこの時点でマイナスの数字が出ています。50歳から65歳までで子供が2人いる場合の支出合計を計算すると、年間500万円では15年で7,500万円の資金が必要となり、早期退職したあと、65歳の老後のための貯金とは別に必要です。

この『おくりびと』は、たいへんヒットしたんですけれども、その「おくり」という言葉に1億円の「億」を掛けた。そして純金融資産、つまり自分が持っているお金の中から、住宅ローンなどの借金を引いた、純然たる金融資産が1億円以上ある人ということに、1億円の「億」を掛け合わせて、「億り人」というタイトルにしてあるわけです。

むしろ、それよりも『となりの億万長者』のほうが、はるかに実践的に役に立つかなと思っているんですね。実践的にというか、心構えとしてね。この本も実はアメリカで純金融資産が100万ドル、つまり1億円以上ある人たちに取材をしたりアンケートを取ったりしたものです。

そうじゃなくて、いわゆる1億円以上の金融資産を持っている人は、どういう考え方でどんなことをやっているのかを、克明に調べていったものなんです。

特にこの1億円の「億り人」は、最近非常にいろんなところでブームになっていましてね。例えばSNSやブログでも、「億り人」という言葉はよく出てきます。

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